先日電車に乗りましたら、派手な広告が目に止まりました。
キレイな広告で、セーラームーンがOLになったと想定した広告です。
職場で戦う女性が、元氣に働けるようにする「チョコラBBジョマ」というドリンク剤の広告です。
チョコラBBで思い出しますが、何十年か前は貧血に悩む人への造血剤という印象でした。
女性のための商品というターゲットであれば、貧血も想定して作られたのだと思います。
私が入学した高校は、かつて陸上競技の名門校でした。
私は長距離ブロックでしたので、めちゃめちゃ練習がきつかったです。
長い距離を走っていると、常に着地がカラダに衝撃となります。
その際、血液中の赤血球のモグロビンが衝撃で破壊されるため、貧血症状になるランナーがかなりいます。
特に女性ランナーは、貧血症状にならない人がいないくらいです。
私もそうでした。
信じられないでしょうが、私が走っている横を、普通に歩いている人に抜かれます。
何をやっても力が出ないのですが、練習は休むことができず、そのうちとうとうダウンしてしまいました。
貧血を経験した人は分かると思いますが、頭がガンガン痛くて氣持ちが悪くて目が回ります。
その頃、東京代々木にスポーツ診療所という病院があって検査をしてもらいました。
めちゃめちゃ血が薄かったようで、医者も驚いていました。
治療方法は、造血剤摂取です。
3か月ほどで貧血症状は治ると同時に、今度はめちゃめちゃ早く走れるようになりました。
いくら走っても疲れません。
まるで麻薬のようです。
麻薬と言ったのは、造血剤を使用することによって、貧血症状が治っても、走る成績を上げるために飲み続けてしまうのです。
競技者の間で問題になるドーピングのような感覚です。
私の周りにも、貧血症状が治っても造血剤を使い続ける人がいました。
自分の競技の成績のために、ついつい必要以上の薬を使いたくなってしまうのです。
私の知っている所では、貧血症でも何でもない健康な人が競技の成績向上のために造血剤を飲み続け、肝臓を壊してしまったという報告がありました。
貧血症の人が造血剤を飲むと貧血症が治りますが、健康な人が造血剤を飲むと肝臓を壊す。
薬は、使う人の考え方で良くもなるし悪くもなります。
仕事でちょっと疲れたくらいで元氣になるといわれるものを摂ってカラダを壊したら、こんどは壊したカラダを治す新しい薬に頼るのでしょうか?
健康で快適でいたいという目的は、薬というもので簡単便利な方法を魔法のように使いこなしたいのでしょうか?
安易な考え方により軸がぶれないような生き方に基づいた生活習慣をしていれば、よけいな宣伝広告に惑わされないと思います。
病氣や体調不良には薬が必要だとは思いますが、病氣や体調不良にならないようにすることの方が大事だと思います。
氣が付けば健康、振り返れば幸せ。